肉割烹『まさ㐂』

肉割烹『まさ㐂』

2012年5月3日木曜日

『草津の家』

住宅の設計である。

現在、家に住む、という行為の中でも様々な選択肢がある様に思う。戸建、マンション、分譲、賃貸、新築、中古、等々まずは、自身のライフスタイルと照し合せ選択して行く。そうして選び抜いた『家』の中で、誰しもが『暮す』という自然な行為を営んでいる。

その延長線上に、自分の住まいを持つ、という選択肢もある。

用途が何であれ、新築であれリフォームであれ、全て既存の状態を変換し進化させるという発想であり、基本的には全てがリフォーム及びリノベーションという感覚である。ここでは、既に周辺環境と関係を保っている当該敷地(更地)がベースであり、そのベース上に『住まい』を新たに挿入する。

古い住宅街の中ほどにある、狭い全面道路に接した道路側以外の3方を建物に囲まれた敷地である。古い土地がゆえの隣地境界問題も抱えていた。 一つ一つ環境を整理し、プランを重ねて行く。光の通り道、風の通り道。外部への開き方、閉じ方。その一つ一つのプロセスの積み重ねが住宅の輪郭を形創る。

この囲まれた敷地で、陽当りと通風、そしてプライバシーとの両立をどう確保していくのか。敷地内部まではみ出した越境部分をどう処理するのか・・・。この問題点こそが、この敷地の個性であり、逆にここに挿入される『住まい』を豊かに変換してくれるヒントになるはずである。

結果、隣地問題箇所に排水という用途を与える事で、隣地との距離と次の進化(将来)への不安を和らげ、プライバシー確保の徹底を図る事で、外部からは想像も出来ない程に日当たりの良い室内を確保出来ている。

この敷地にしか成立し得ない『住まい』で、新しい歴史となる『暮し』が始まる。